作品データ
作品名:ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemption)
公開年:1994年(日本公開:1995年)
監督:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング『刑務所のリタ・ヘイワース』
出演
- ティム・ロビンス
- モーガン・フリーマン
- ボブ・ガントン
- ウィリアム・サドラー
上映時間:142分
製作国:アメリカ
ジャンル:ヒューマンドラマ
画像出典:TMDb(The Movie Database)
名作と呼ばれる映画には二種類ある。
初めて見た時だけ衝撃を受ける作品と、何年経って観直しても、その価値を再確認させられる作品だ。
『ショーシャンクの空に』は間違いなく後者である。
改めて観て、これはやっぱり良い映画だ。
初見の衝撃、そして少しだけ離れたあとで観ても、この作品は少しも色褪せない。
むしろ、時間を置いた今だからこそ、余計な評価を削ぎ落とした「映画そのもの」の強さが浮かび上がる。
しかしこの作品、刑務所内での数々のエピソードはてんこ盛りで、その積み重ねは訴える事が多いものの、その中でどこが面白い?何がスゴい?と聞かれると、なかなか説明し難いのである。
考察しても、しなくても面白い、本当の名作
映画には、考察することでより深く味わえる作品がある。
例えば『地獄の黙示録』、『シャッターアイランド』などは、考察することで真価が見えてくる作品だろう。物語の意味を考え、象徴を読み解き、自分なりの考えを探す時間まで含めて映画体験になる。
もちろん『ショーシャンクの空に』も、時代背景や宗教的解釈や哲学、ニクソン大統領まで考察の対象に取り上げ分析されている。
でもまずは、そういうのを全部無視して、何の知識も無く観ても、十分すぎるほど面白い。そのことを、改めて実感した。
そして、この作品は知識を持つ者には、いくらでも考察の余地を与えてくれる。
だから何度観ても、新しい発見がある。
アンディとレッド、どちらの物語か
これも本作を語るうえで、答えの出しにくい問いである。
「希望は危険だ。」
そう信じて生きてきたレッドは、アンディとの出会いによって、「希望は良いものだ」と知っていく。
後半、レッドの心が少しずつ変わっていく姿は、私たち観る者の心にもまっすぐ届く。
だからこれは、レッドの解放の物語だとも言える。
しかし、それでも物語の核にいるのは、やはりアンディなのだと思う。
アンディは、自分が自由になるためだけに生きた人ではない。
刑務所という閉ざされた世界で、音楽を届け、本を増やし、希望を絶やさなかった。そして、自分が去ったあとにも、その希望だけは周りの人の心に残して去った。
自分の不運を呪いたくなるような状況にあっても、人間に本当に必要なのは希望なのだということを、アンディは一貫して伝えていたように思う。
この映画が伝えているのは、規律や安全だけでは人は生きていけないということだ。暴力が悪である事は言うまでもない。しかし、人間から希望や心の豊かさ、情操を奪うこともまた、人を生きながらにして閉じ込めていることなのだ。
だからこそ、ラストの太平洋の青い海が胸を打つ。
深い友情で結ばれた二人が再会する、その瞬間。
解放されたのはアンディやレッドだけではない。
観終えた私自身も、別に刑務所に長年閉じ込められていたわけではないのに、久しぶりに外の空気を思い切り吸ったような、清々しい気持ちになるのである。
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