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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)』――アベンジャーズは、もともと「寄せ集め」だった

  作品データ

作品名:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ ( Captain America: Civil War )

公開年:2016年

監督:ルッソ兄弟(アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ)

原作:ジョー・サイモン、ジャック・カービー 『 キャプテン・アメリカ 』

出演:   

  • クリス・エヴァンス
  • ロバート・ダウニー・Jr
  • スカーレット・ヨハンソン
  • セバスチャン・スタン
  • アンソニー・マッキー
  • ドン・チードル
  • ジェレミー・レナー
  • チャドウィック・ボーズマン
  • ポール・ベタニー
  • エリザベス・オルセン
  • ポール・ラッド
  • トム・ホランド

上演時間:148分

製作国:アメリカ

ジャンル:アクション

画像出典:TMDb(The Movie Database)

いやー、見どころ満載!

ラゴスでの戦いから始まり、ブラックパンサーとバッキー、スティーブチームとトニーチームの対決。

そして空港では、スパイダーマンやアントマンまで加わって、

「誰と誰が戦ってるんだよ🤣」

と言いたくなるほどの大乱闘。

もう、とにかく凄い。

でも、この映画を面白いと思ったのは、キャラクターがたくさん出てくるからだけじゃない。

その一つ一つの戦いに、ちゃんと意味がある。

ここが、この映画のうまいところだ。

「正しい」のではなく、「それぞれの理由」がある

物語の大きな軸になるのが、ソコヴィア協定。

アベンジャーズが世界を救ってきた一方で、その戦いによって大きな被害も出してきた。

世界を救う戦いで、アベンジャーズは多くの民間人から「恨まれる」存在にもなってしまっていた。

ソコヴィアだけではない。

ラゴスでの作戦でも犠牲者が出る。

「アベンジャーズは、このまま自分たちの判断だけで活動していいのか?」

そう考えたトニーが、協定に賛成する。

トニーが単純に「政府の言うことを聞こう」と考えているわけではない。

トニー自身が、自分たちの力に恐怖を感じ始めているんだ。

自分たちは世界を救っている。

でも、その力で人を傷つけることもある。

だったら、誰かが責任を持って管理するべきではないか。

一方、スティーブは反対する。

政府に判断を委ねてしまえば、本当に必要な時に動けないかもしれない。

そしてスティーブには、もう一つ、どうしても譲れないものがある。

バッキーだ。

スティーブの強さ

今回、改めて思った。

スティーブは、強い。

もちろん肉体的にも強いんだけど、それだけじゃない。

バッキーは洗脳され、ウィンター・ソルジャーとして利用されていた。

本人の意思ではないとはいえ、多くの人を殺している。

世間から見れば危険な存在だ。

それでもスティーブは、

「こいつは俺の知っているバッキーだ」

というところを手放さない。

自分が信じた人間を、最後まで信じる。

これもスティーブの強さなんだと思う。

だから、ソコヴィア協定への反対は、単なる政治的な意見ではなくなっていく。

スティーブにとっては、バッキーを見捨てないことでもあるからだ。

そして、アベンジャーズは二つに分かれる

ここから、ものすごいことになる。

トニー側にはローディ、ヴィジョン、ブラックパンサー、そしてスパイダーマンまでいる。

スティーブ側には、バッキー、サム、ワンダ、ホークアイ、アントマン。

……いや、豪華すぎる🤣

スパイダーマン初登場なんて、もうそれだけで嬉しい。

ピーターとトニーの関係も、ここから始まる。

後の物語を知っていると、

「ああ、ここが二人の出会いだったのか」

と思えて、なかなか感慨深い。

アントマンも「ここで来るか!」という感じだし、ホークアイまで参加する。

こういうキャラクターの登場そのものが楽しい。

でも、それだけでは終わらない。

それぞれが、ちゃんと誰かとの関係を持っている。

サムはスティーブの「連れ」。

ワンダとヴィジョンは、ここでは敵味方に分かれてしまう。

ローディはトニーの親友。

そしてローディが空から落下し、大怪我を負ってしまう。

トニーは助けられなかった。

これがまた、トニーの中に重く残る。

つまり、空港の大乱闘は派手なだけじゃない。

そこで誰かが傷つくたびに、人間関係が変わっていく。

だから、観ているこちらも単純に「すげー!」だけではいられなくなる。

アベンジャーズって、実は「寄せ集め」

今回、改めて一番強く感じたのはここだった。

アベンジャーズって、考えてみれば不思議な集団だ。

家族でもない。

同じ場所で訓練を受けた仲間でもない。

同じ思想を持っているわけでもない。

それぞれが全然違う人生を歩んできた人たち。

つまり、もともとは寄せ集め

『アベンジャーズ』では、それでも一緒に戦った。

『エイジ・オブ・ウルトロン』では、もうチームとして動いていた。

でも、この映画では、

「そもそも、こんなにバラバラな人たちが、どうして一緒にいられたんだろう?」

ということまで見えてくる。

そして答えは、たぶん「一緒に戦ったから」だけじゃない。

一緒に戦ううちに、友情や信頼が生まれていたからだ。

血のつながりもない。

契約で結ばれているわけでもない。

それでも、いつの間にか仲間になっていた。

だから、その仲間同士が戦うことが、こんなにも辛い。

ジモが目指す、アベンジャーズの分裂

今回の敵は、ジモ。

ジモもまた、ソコヴィアの戦いで家族を失い、アベンジャーズを憎むようになった人物だ。

元ソコヴィアの特殊暗殺部隊だから、間違いなく危険人物なのだが、彼はアベンジャーズを直接力で倒そうとはしない。

アベンジャーズの中にある傷を利用する。

ソコヴィア。

ラゴス。

バッキー。

そして、トニーの両親の死。

それぞれが抱えているものを少しずつつなげていく。

アベンジャーズの一人一人を倒すのではなく、彼らの人間関係を壊し、互いに戦わせようとした。

そして、それが見事に成功してしまう。

最後の三人が、辛すぎる

そして、最後。

スティーブ、バッキー、トニー。

ここは本当に辛い。

もう「ソコヴィア協定に賛成か反対か」なんて話ではない。

トニーは、自分の両親を殺したのがバッキーだったことを知る。

そしてスティーブが、その事実を知っていたことも知る。

スティーブはバッキーを守りたかった。

その気持ちは分かる。

でも、トニーからすれば、

「お前は知っていたのか」

なのだ。

だから、あの最後の戦いは「キャプテン・アメリカVSアイアンマン」ではない。

親友を守りたい男と、両親を殺された男の戦いだ。

それまで積み上げてきた二人の関係を考えると、本当に痛い。

そして、

「父親が作った盾を持つ資格がお前にはない」

というところまで行ってしまう。

あの盾は、単なる武器じゃない。

スティーブそのものでもあり、トニーの父ハワードとのつながりでもある。

だから、あの言葉はものすごく重い。

それでも、完全には終わらない

それなのに、この映画は完全な決裂では終わらない。

スティーブはトニーに手紙を残す。

そして、

「いつでも呼んでくれ」

という余地を残す。

これが、すごくありがたかった。

あれだけのことがあったのだから、もう二度と元には戻れないのかもしれない。

でも、完全に扉を閉じてはいない。

アベンジャーズは、ここでは壊れてしまった。

でも、終わったわけではない。

バッキーのこれから

そして今回は、やっぱりバッキーが好きだった。

強い。

ものすごく強い。

でも、その人生は本当に辛い。

自分の意思とは関係なく人生を奪われ、利用され、そして自分が何をしたのかという記憶まで背負わされる。

そんなバッキーが、最後にはワカンダで保護される。

そして、自分から冷凍保存を選ぶ。

「じゃあ、しばらく寝ててください」

これからの彼を知っているからこそ、ここはちょっと楽しみでもある。

まだ、この人の物語は終わっていない。

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、ヒーロー同士の大迫力の戦いを楽しめる映画だ。

でも、その戦いの奥にあるのは、もっと小さなものなのかもしれない。

誰を信じるのか。

誰を守るのか。

誰のために責任を負うのか。

そして、いったん壊れてしまった関係を、それでも完全には捨てられないということ。

アベンジャーズは、もともと寄せ集めだった。

それなのに、いつの間にか仲間になっていた。

だからこそ、仲間同士で戦うことが、こんなにも辛い。

そして、だからこそ最後に残された、

「いつでも呼んでくれ」

という一言が、ちょっと嬉しい。

壊れたけれど、終わってはいない。

そんなところに、この映画の救いを感じた。

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