サスペンス・ミステリー 史上最高の映画100本

第54位:めまい(1958年)

心霊現象かと思ったら、不倫ものかと思ったら、PTSDものかと思ったら、やっぱりサスペンスだった、というストーリー展開は面白いです。

途中までは主人公と同じ様に、まんまと騙されたまま視聴を続けます。

ネタばらしは、彼女の告白文(渡さず破り捨てた)によるもので、主人公よりも視聴者の方が先に知らされる形をとっています。

真犯人は、主人公の高所恐怖症と心霊話を上手く利用して、自らの殺人を完全犯罪にしようと、このシナリオを組み立て実行したかなりの知能犯でした。

非常に巧みなサスペンスラブストーリーなのですが、劇中ではこの犯人が捕まることもなく、ラストも後味の悪い形で、

あららら、て感じで終わせています。それがどうにも消化不良という気持ちにさせられました。

ただあの後、主人公はどうするのか、警察の取り調べに対し、真実を話したとて理解してもらえる証言が今の彼に出来るのだろうか。

彼の高所恐怖症が悪化するのは間違いないし、そんな時はまたミッジ女史が甲斐甲斐しく世話を焼くことになるのだろう。

後味悪作品の先駆者として観る価値ありですし、その後を想像すると、また嫌~な気持ちにさせられるわけです。

U-NEXTにて鑑賞

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